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Deepwater Horizon原油流出、メキシコ湾深海の生態系が崩壊

PNAS掲載の新研究で、メキシコ湾の深海動物の個体数が原油流出後に60〜85%減少し、回復の兆しは乏しいことが分かった。

Research vessel on the Gulf of Mexico lowering a plankton net into deep water near the site of the Deepwater Horizon spill.
画像: WIRED

メキシコ湾北部の数百マイルにわたる深海生態系が、Deepwater Horizonの原油流出事故を境に崩壊し、回復の見通しも不透明だとする研究が、米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された。

研究によると、事故後3年半の間にタコ、オキアミ、イカ、エビなどの個体数は60〜85%減少し、その後も回復はほとんど見られない。食物網の土台であるオキアミとハダカイワシ類の打撃が特に大きかった。研究チームは「地球最大の生態系で報告された中で最も急速かつ深刻な動物相の減少」と位置づけた。大量死は遺伝的ボトルネックを招いて回復をさらに妨げる恐れがあり、海が大気中の二酸化炭素を深海へ運ぶ働きを弱める可能性もあるという。水温や酸素濃度など他の要因を除外した結果、事故が「最も無理のない説明」だと結論づけた。

調査の方法

2011年の9カ月間の調査を基準とし、2015〜2023年の9回の調査と比較した。対象は水深約200メートルから約1.6キロの深層域で、メキシコ湾の全容積の約90%を占める。深度ごとに開閉できる網を正午と深夜に使い、船載の音響測深機と遺伝子解析でも裏付けた。

筆頭著者でノバ・サウスイースタン大学のトレイシー・サットン教授は、2024年の研究で深く潜るハクジラ類が80%減ったと指摘。「ミシシッピ川沖には多くのマッコウクジラが定住していたが、10年間見ていない」と述べた。

事故の規模と今後

BPのために稼働していた掘削リグは2010年4月20日に爆発し、11人が死亡した。約1マイルの深さの坑井から87日間にわたり、490万バレルの原油が流出した。BPは2016年に208億ドルの和解に合意し、うち最大88億ドルが環境回復に充てられる。

研究に加わっていないモントレーベイ水族館研究所のブルース・ロビソン氏は「湾は15年たっても回復していない」と語った。ハワイ大学のジェフリー・ドレイゼン氏は、3つの証拠が互いを裏付ける点を評価した。著者らは、基準状態の評価前に深海採掘が進めば同様の被害が生じかねないとも警告している。

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