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米Northwestern大、陽電子1個を数カ月間捕捉

米Northwestern大の研究チームが、反物質の陽電子1個を絶対零度近くで数カ月保持した。測定精度は従来の約30倍に高まる可能性がある。

Illustration of a single positron suspended in a vacuum trap by electric and magnetic fields in a physics laboratory.
画像: WIRED

米Northwestern Universityの物理学者チームが、反物質粒子である陽電子1個を数カ月にわたって捕捉することに成功した。絶対零度に近い温度まで冷却し、粒子に触れることなく量子状態を高精度で制御した。成果は「Physical Review Letters」に掲載された。

粒子を壊さず繰り返し測定

陽電子は電子の反物質に当たる粒子だ。Gerald Gabrielse氏が率いるチームは、「単一陽電子量子サイクロトロン」と呼ばれる装置を開発した。電場と磁場を使って真空中に陽電子を保持し、極低温でエネルギーが最も低い状態にすることで、量子的な振る舞いを制御しながら変化させられる。

素粒子物理学の他の手法と異なり、この方法では粒子が破壊されない。そのため1個の反粒子を数カ月間保持し、測定を繰り返すことができた。

物質と反物質の差を探る

理論上、あらゆる物質粒子には対応する反粒子があり、これは実験でも確認されている。宇宙には両者が同程度に存在してもよいはずだが、観測される物質のほとんどは通常の物質で、その理由はいまも分かっていない。

反物質は通常の物質に触れると対消滅してエネルギーを放出するため、研究は難しい。真空容器と電磁場で隔離しても、量子レベルの実験は依然として困難だ。

電子と陽電子は質量が同じで、電荷は逆だ。研究者は両者の磁気的性質を比べたい考えで、電子では極めて精密な測定が行われているが、陽電子では同水準の精度を出すのが難しかった。American Physical Societyによると、新装置により反物質の測定精度は従来の約30倍になりうる。

今回、両者の予想外の違いは見つかっていない。成果は違いを検出する能力の向上にある。今後の測定で陽電子が電子と異なる磁気応答を示せば、物質と反物質を説明する法則の一部を見直す必要が出てくる。

タグ:antimatterpositronnorthwestern universityquantum physicsgerald gabrielse

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