エルゼビア、LG AI研の化学特化AIを「Reaxys」に導入
エルゼビアはLG AI研究院の化学特化型画像認識AIを化学情報検索サービス「Reaxys」に導入した。論文や特許の構造式を検索可能なデータに変換する。

エルゼビアは5日、LG AI研究院が開発した化学特化型の画像認識技術を、化学情報検索サービス「Reaxys(リアクシス)」に導入したと発表した。論文や特許に画像として掲載されている分子構造や結合関係をAIが解析し、コンピューターが検索できる情報に変換する。
画像に埋もれていた化学情報
これまで研究者が特定の物質や反応を探すには、論文や特許の構造式を自分の目で確認する必要があった。物質の構造や反応過程が文字ではなく図で示されることが多く、一般的な検索技術では見つけにくかったためだ。
構造式は小さな違いで意味が変わる。原子間の結合線を1本読み違えるだけで別の化合物と認識しかねない。構造が複雑な無機化学や有機金属化学では、正確な抽出がとりわけ重要になる。
3つの機能を1モデルに統合
LG AI研究院は、分子の検出、反応式の解析、光学的分子構造認識(OCSR)を1つのモデルに統合した。AIは文書内の構造式を見つけて原子と結合の関係を解析し、データ化する。研究者は、ある化合物が既存研究に登場したかの確認や、関連物質・反応の検索に使える。
エルゼビアはこの技術をReaxysのデータ抽出と検収の工程に適用した。Reaxysは化学物質、反応、生物活性、生物学的標的、物性などの情報を提供するサービスだ。同社によると、新規物質の探索、既存研究との重複確認、合成経路の設計に必要な情報を見つけやすくなる。
LG AI研究院が公表した自社評価では、1ページ全体から化学情報を抽出する試験で、既存の代替技術を上回る性能を示した。エルゼビアも導入前にReaxysの既存評価基準で抽出精度を確認し、大量の文書処理でもデータ品質を保てるようシステムと作業手順を検証した。
両社は今後、化学反応情報の抽出へ協力を広げる方針だ。反応に使われた物質や生成物などの情報を幅広く確保し、Reaxysの検索データを拡充する構想である。
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