Osegi
科学·1 分で読めます

グラフェン内の電子の動きを独の研究者が初めて動画化

レーゲンスブルク大とマールブルク大の研究チームが、光の1周期内でのグラフェン電子の動きを撮影し、LZMトンネリングを直接可視化した。

Illustration of an ultrashort light pulse striking a honeycomb graphene lattice with glowing electrons in motion.
画像: CHIP Polska - Technologie mamy we krwi!

ドイツのレーゲンスブルク大学とマールブルクのフィリップ大学の研究チームが、グラフェン中の電子の動きを、光波の1周期内の時間分解能で可視化することに成功した。成果は科学誌Natureに発表された。

赤外光で動かし、極端紫外光で撮る

グラフェンは炭素原子が蜂の巣状に並ぶ1層の素材で、特定の条件下では電子が相対論的粒子のように振る舞う。このため、他の物質では観測しにくい現象を調べる舞台として注目されてきた。

研究チームは周波数30THzの強い赤外光パルスで電子を制御しながら動かし、極端紫外光の超短パルスでその様子を記録した。連続した「スナップショット」から電子構造の変化を追え、電子の移動に加えてエネルギー分布や運動量の変化も観察できるという。

ランダウ=ツェナー=マヨラナ・トンネリングを直接観測

最大の成果は、ランダウ=ツェナー=マヨラナ(LZM)トンネリングの直接イメージングだ。強い電場の下で電子が異なるエネルギーバンドの間を移るという量子現象で、光と物質の相互作用を理解するうえで重要とされる。

実験では、電子の分布がまず特定の方向へずれ、その後に変形して細長い楕円形になった。時間がたつと散乱の影響も現れ、分布が変化した。手法は第一ブリルアンゾーン全体の電子ダイナミクスを追跡でき、観測可能な範囲は従来の100倍以上に広がったという。

光波エレクトロニクスへの道

光が電子の動きに与える影響の理解が進めば、新しい電子・光電子デバイスの設計に役立つ可能性がある。有力な方向の一つが、成形した光パルスで電子的な信号や過程を制御する光波エレクトロニクスだ。実現すれば、従来方式をはるかに超える速度で動作する回路につながるとしている。

タグ:graphenequantum physicselectron dynamicslightwave electronicsnature

同じ日のニュース

すべて見る →

関連カテゴリ: 科学

すべて見る →