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スペインの蓄電池ブーム、価格差縮小のリスクに直面

スペインでは安い太陽光電力を買い高い時間帯に売る蓄電池事業が好調だが、市場拡大が価格差を縮め、融資に影響する恐れがある。

Rows of grid-scale battery storage containers next to solar panels at sunset in Spain.
画像: xataka.com

スペインでは太陽光発電の拡大により、特に夏場、電力卸売価格がゼロ、場合によってはマイナスになる時間帯が生じている。この安い時間帯に電力を買って蓄え、需要が高まる時間帯に放出する蓄電池ビジネスが、一部の事業者にとって大きな収益源になっている。ただし、この流れ自体が将来、一部の蓄電池施設の採算を脅かす可能性がある。

日中市場と「日内スプレッド」

日前市場では翌日の各時間の売買が取引され、状況の変化に応じて参加者は日内市場でポジションを調整する。日内スプレッドとは、太陽光発電が多い日中の最安時間帯と、夜に差しかかっても需要が落ちない最高値時間帯との価格差を指し、蓄電池の収益余地を示す指標となる。

El Periódico de la Energíaによると、9月の1時間日内スプレッドの月間平均は215.37ユーロ/MWhで、8月の195.29ユーロ/MWhを上回った。

「カニバリゼーション」の懸念

エネルギーコンサルタントのAleaSoft Energy Forecastingは、収益性はスプレッドだけでなく、電力を移行できる量、蓄電池の劣化や寿命、運用上の制約にも左右されると説明する。

さらに、蓄電池の普及そのものが価格を変える。安い時間帯に充電すれば需要が増え、高い時間帯に放電すれば供給が増えるため、価格差は縮小する。これがカニバリゼーションだ。現在のスプレッドを前提に収益を見積もるプロジェクトは、長期の採算を過大評価するおそれがあり、金融機関が融資を判断しにくくなる。

今後の焦点

カニバリゼーションは、蓄電池が儲からなくなる、あるいは設置を止めるべきだという意味ではない。現在の価格差だけに頼れないということだ。AleaSoftの見解として、設備容量と運用について現実的な前提を置くこと、条件の厳しいシナリオを含め電力システムの複数の推移を想定した時間別予測を用意することが挙げられている。そうして初めて、長期視点の提案で資金を調達できる。

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