Discovered Materials、材料科学の難題にAIへ賞金1億円超
YC出身のDiscovered Materialsが、材料科学の未解決問題5件に総額100万ドルの賞金を設定した。AIモデルによる解決を狙う。

サンフランシスコのスタートアップDiscovered Materialsは、材料科学の重要な未解決問題5件をAIモデルに解いてもらうため、総額100万ドルの賞金チャレンジを発表した。同社は設立から数カ月で、先端チップ向けの新素材をAIで探索している。2026年春のY Combinatorバッチの出身だ。
最先端のAIモデルは数学の難問を次々に解き、生命科学でも成果を上げている。一方、先端材料の複雑な物理には十分に踏み込めていない。共同創業者のAdvaith Sridhar氏は、材料科学では数学のように「はい・いいえ」で答えが出る明確な定義が難しいと説明する。
提示された5つの問題
同社は世界の主要大学の研究者による諮問グループとともに、次の問題をまとめた。
- 銅酸化物超伝導を説明する理論
- シリコンと二酸化シリコンの界面構造を予測する数値手法
- 結晶粒構造と熱特性を結び付け、放熱材料の設計に生かす数値手法
- 光照射で物質の性質が変わる理由、特に超伝導に関する理論
- 原子や分子の構造計算に使う密度汎関数理論を改良する数値手法
発表前、同社は最先端ラボのモデルにインターネット接続などを与え、数日間自律的に取り組ませた。しかし各問題で大きな進展はなかったという。
Sridhar氏は、解くのが自社か大学教授かフロンティアラボかは問題ではないと話す。チャレンジは「ゴールポスト」であり、モデルがこの分野で進歩しているかを測る指標にもなるという。先に検証方法と問いを定め、その後に誰かが説明を考える新しい科学の進め方だとも述べた。
同社の主力は半導体向け新素材の開発で、大手チップ企業との共同研究も行う。8月のシード調達時には1年以内に有用な素材を生み出したいとしていたが、同氏は現在、工業的に有用な素材をそれより短期間で見つけられる確信が強まったと語った。
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