Claude Sonnet 5が遺伝子治療を選択、マウス脳へ注射
Exin Therapeuticsは、Claude Sonnet 5のエージェントが遺伝子治療を選び、てんかんマウスの脳への注射を誘導したと発表。人の監督は厳格に維持された。

米バイオ企業Exin Therapeuticsは、AnthropicのAIモデル「Claude Sonnet 5」を使ったエージェントが、19種類の遺伝子治療の中から1つを選び、脳の標的部位を決め、てんかんモデルのマウスへの定位注入を自ら誘導したと明らかにした。マウスは麻酔から覚め、経過は良好だという。
発表したのは同社を率いる神経科学者のGabriel Ocana-Santero氏で、2026年10月28日にXへ投稿した。同氏はオックスフォード大学で薬理学の博士号を持つ。投稿は急速に拡散したが、「人の手を借りずに手術した」といった不正確な見出しも出回った。
エージェントの役割
エージェントには、てんかんのマウスモデル、19種のベクターを並べた表計算シート、カメラ付きの電動手術装置、「発作を減らす」という目標だけが与えられた。同氏によれば、どのベクターを選ぶか、どこに注入するかは指示していない。エージェントは、GABAシグナルを強め、GABA作動性ニューロンに発現を限定する治療を選択。3本の論文から注入座標を導き、針を深さ4.3mmまで進め、5分間で250ナノリットルを注入した。出血の確認のため、カメラも32回参照したという。
一方、頭蓋骨を開く開頭は人間の外科医が実施した。安全上の理由で、エージェントにはまだ許可していないとしている。不可逆な操作ごとの人間による承認、注入量などの上限をモデルの外に実装した制限、獣医師が持つ全モーターの電源を切る物理的な緊急停止装置が備えられた。
ばらつくガードレール
同氏によると、最上位のClaude Opus 5.5は生物学の実験と判断した時点で拒否した。Opus 5はリハーサルまで進めたが、生きた動物の段階で停止。実行したのはSonnet 5だけだった。同じ企業のモデルでも対応が分かれ、安全策が一貫していない可能性がある。
また、装置の位置ずれをエージェントが検知して針の前進を拒否し、後に拒否が正しかったと確認される場面もあった。Anthropicは、本稿執筆時点で公式な見解を示していない。
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