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AIコーディングが新人を圧迫、10年後の開発人材不足を懸念

AIエージェントが入門レベルのコーディングを担い、企業は新人採用を絞っている。短期的にはコスト減でも、10年後に経験豊富な技術者が不足する恐れがある。

A junior developer and a senior engineer reviewing AI-generated code together on a monitor in an office.
画像: t3n Magazin

ソフトウェア開発でAIの利用が広がる中、企業が新卒や未経験の開発者の採用を減らしている。短期的には採算が合うが、長期的には人材不足という問題につながると指摘されている。

Jetbrainsが2026年8月に公表した調査では、世界のプロ開発者1万5000人超のうち90%が、AIコーディングエージェントを少なくとも週1回は使っていた。一方、スタンフォード大学の研究「Canaries in the Coal Mine」によると、米国の22〜25歳のソフトウェア開発者の雇用は2022年末以降に約20%減少した。同じ職種の経験者の雇用は増えている。

ボトルネックは「コード」から「判断」へ

コードはAIが数秒で生成できるため、制約はコード作成そのものではなくなった。意思決定の不足、要件の質、システム間の手作業の引き継ぎ、レビュー能力の不足、AIを安全に使うためのガードレールの欠如が課題となる。いずれも人間の判断力が必要で、育成を絞る領域にボトルネックが移ったことになる。

コードレビューでは、セキュリティリスクや保守性、要件変更への対応を見極める必要がある。経験者は生成コードの誤りに気づき判断力をさらに磨けるが、新人には基準がなく、もっともらしい答えをそのまま受け入れがちだ。AIは既存の判断力を増幅するが、判断力そのものは生み出せない。

育成の場を生成コードとレビューに移す

筆者の会社では、開発者2〜4人に対し、アーキテクチャとコード理解に責任を持つ経験者1人を置く混成チームを組む。新入社員には固定のバディをつけ、経験豊富なアーキテクトとの対面の作業日やペアプログラミングも設ける。リモートワークは両立支援などの理由で維持する。入社2年間に身につける基礎能力も定めており、今後はAI活用のスキルを加える方針だが、その中身は絶えず変化している。

2036年にも稼働し続けるシステムの保守性は、今の育成方針で左右される。10年後にソフトウェアを開発するのは、今も人材を育てている企業だというのが筆者の結論だ。

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