Microsoft、発話中に文字起こしするMAI-Transcribe-2-Streaming
MicrosoftはFoundryに3つのMAI音声モデルを追加。ストリーミング文字起こしは音声入力から数百ミリ秒で最初のテキストを返す。

Microsoftは、アプリとエージェント向けのモデルカタログ兼プラットフォーム「Microsoft Foundry」に、音声分野の新モデル3種を追加した。中核となる「MAI-Transcribe-2-Streaming」は、話者が言い終えるのを待たず、発話中の音声をリアルタイムでテキストに変換する。10月1日、Foundry Modelsを担当するシニアディレクターのNaomi Moneypenny氏がブログで発表した。
残る2つは、表現力の高い多言語対応の音声合成モデル「MAI-Voice-2.1」と、応答性が求められる大量処理向けの「MAI-Voice-2.1-Flash」だ。同氏によると、表現の忠実度を重視するならMAI-Voice-2.1、自然さと応答速度、大規模運用時のコストのバランスを取るならFlashが適している。
「部分結果」で先に理解する
自動言語検出を備えたMAI-Transcribe-2-Streamingは、音声を受け取ってから「数百ミリ秒の前半」で最初の仮説(partials)を返す。文脈が増えるにつれて仮説を修正し、発話が終わった時点で確定した文字起こしにする。これにより、カスタマーサービスのエージェントは文が終わる前に要望の把握を始められ、音声アシスタントもツール呼び出しの準備を早く進められる。同氏の投稿では、Artificial Analysisのリーダーボードで、部分・最終の両方の文字起こしで精度1位になったという。
現場からの見方
音声エージェント基盤を手がけるPhonelyのWill Bodewes CEOは、今回の参入を音声AIが実用段階にある証拠と受け止める。同社は独自のルーティング基盤を構築し、120ミリ秒の応答を実現したという。
一方、同社の研究者Amit Kiran Rege氏は、音声の入出力は難所ではないと指摘する。難しいのは、相手が話し終えたのか息継ぎなのかを見極める沈黙の部分だ。同社のエージェントは3分の2の場面で早すぎる応答を始めたが、相手が話を再開したため返答は取り消され、聞こえなかった。遅延を半分にすると、これが耳に届く割り込みになる。そのため遅延とターン制御は同時に改善する必要があると述べた。
Microsoftは、顧客対応エージェント、多言語アシスタント、学習体験、ライブ字幕、音声インターフェースなどへの活用を想定している。新モデルは現在Foundryで利用できる。


