ジェネシスGV90、開発陣がコーチドアの失敗談を率直に語る
ジェネシスGV90の技術説明会で、開発責任者らは「失敗」と「試行錯誤」から語り始めた。Bピラーのないコーチドアが先駆者への転換を示すという。
ジェネシスのGV90技術説明会は、通常の新車発表とは空気が違った。登壇した研究開発(R&D)の実務責任者たちが最初に口にしたのは、成功ではなく「失敗」と「試行錯誤」だった。この率直さこそ、ジェネシスが「ファーストムーバー」に踏み出した最も明確な場面だと評価されている。
手本のない領域への挑戦
韓国の自動車産業は長年、メルセデス・ベンツやBMWの技術を分析して追いかける「ファストフォロワー」型で歩んできた。しかしGV90は約3トンの大型電動SUVでBピラーを取り除き、前後のドアが干渉せず独立して開閉するコーチドアを採用した。世界の高級ブランドも量産車では実現していない領域だ。手本を失った技術者たちは、大学の機構学の教材を読み直し、家具展示会やロボット工作機械の工場まで調べ歩いたという。
模倣より難しい量産品質
中国メーカーがこのヒンジ構造をすぐ模倣するのではとの質問に、技術者らは冷静に否定した。スライドとスイングを両立する特許網は厚いが、本質は構造の模倣ではなく「量産品質の壁」にあるとし、少なくとも5年以内は追随できないと自信を示した。
約70kgのドアを0.3mm程度の精度で保ち、数万回開閉しても段差が出ないようにする製造ノウハウは別次元だという。横転時に屋根が14トンの荷重に耐えるよう、ロールケージとドアも一体で設計した。失敗した金型を廃棄し、試験車を通常の新車の3倍壊して得たデータが、ジェネシス独自の「堀」になると指摘されている。
電気自動車では「車輪の付いたスマートフォン」という議論が目立つが、ドアの手応えや静粛性、衝突時の骨格剛性は今も物理法則の領域だ。失敗を隠さず示せるほど、ジェネシスは成熟したという見方である。
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