Proxima Fusion、富士倉・京都フュージョニアリングと提携
独核融合企業Proxima Fusionが東京でFujikuraとKyoto Fusioneeringとの覚書に署名。超電導テープやプラズマ加熱の供給網を独国内に築く。

ドイツの核融合企業Proxima Fusionは、日本のFujikura、Kyoto Fusioneeringとそれぞれ覚書(MoU)を結んだ。メルツ独首相の訪日に合わせて東京で署名されたもので、商用核融合に必要な技術と産業サプライチェーンの構築が狙いだ。対象は高温超電導(HTS)テープの製造、プラズマ加熱、燃料サイクル技術である。
Fujikuraとは超電導テープの供給網
Fujikuraとの覚書では、ドイツ・ニーダーザクセン州でHTSテープのサプライチェーンを築けるか、技術・商業・経済の面から検証する。現地生産の可能性も含む。HTSテープは、ステラレーターに使うコンパクトで高磁場の磁石に欠かせない材料だ。
Proximaは、実証機「Alpha」に約2万km、商用炉「Stellaris」1基あたり約4万kmのテープが必要になると見込む。長期の需要が見通せれば、メーカーは増産やコスト低減を進めやすくなる。同社のフランチェスコ・ショルティーノCEOは「核融合炉のサプライチェーンは炉本体より何年も前に整っていなければならない」と述べた。
Kyoto Fusioneeringとはジャイロトロンと燃料サイクル
Kyoto Fusioneeringとは、既存の協力を広げ、プラズマ加熱用の次世代ジャイロトロンと燃料サイクル技術に取り組む。ジャイロトロンは高出力のマイクロ波を発生させ、核融合反応に必要な超高温までプラズマを加熱する装置だ。燃料サイクルは核融合に使う燃料の管理と処理を担う。
同社はドイツ連邦研究・技術・宇宙省(BMFTR)の「Fusion Hubs」構想なども通じ、商用化を支える。訪日中、Kyoto FusioneeringはProximaを東京の研究センターに迎えた。
2030年代の実証機と商用炉へ
両提携は、2030年代前半を目標とするネットエネルギー利得のステラレーター実証機Alphaと、同年代後半に計画する初の商用炉Stellarisに向けたロードマップを支える。ミュンヘンに本社を置く同社の従業員は約200人で、50社超の産業パートナーによる連合「Alpha Alliance」が商用化計画を後押ししている。






